獣医学部で留年しそうになったら:進級のハードルと学習の立て直し方
獣医学部で試験の不合格や再履修が重なり、「このままでは留年するかもしれない」と感じたら、最初に確かめたいのは、今の成績と大学の進級条件です。勉強時間を増やす前に、どの科目や実習が次の学年への条件になっているかを整理しましょう。
獣医師養成課程は6年制です。解剖や生理などの基礎から臨床へ学びがつながるため、前に習った内容の曖昧さが、その後の授業で負担になることがあります。ここでは、進級の判断材料と、解剖・生理・臨床実習の準備を立て直す手順を整理します。
目次
留年が心配になったら、まず進級条件を確かめる
「必修を落とした」「再試験がある」という情報だけでは、進級できるかどうかは判断できません。履修要項、進級規程、各科目のシラバス、学内のお知らせをそろえ、自分の入学年度と学年に適用される条件を確認してください。
- 進級に必要な単位と、個別に修得が必要な必修科目
- 実習の参加条件、出席・提出物・技能評価の扱い
- 再試験や追試験の対象条件、申請方法、期限
- 未修得科目を残した場合の履修順序と、次の開講時期
資料を読んでも判断できない点は、教務窓口や担任・指導教員へ質問します。「私は留年しますか」だけでなく、「この科目が未修得の場合、どの進級条件に関わりますか」「今から必要な手続きはありますか」と聞くと、次にすることを具体化できます。
友人の経験は相談のきっかけにはなりますが、自分に適用される条件を確かめる作業も必要です。科目名、確認した窓口、回答、期限を一緒にメモし、勉強の予定と手続きの予定を分けて管理しましょう。
獣医学の学びは、基礎から臨床へ積み重なる
獣医学では、体の構造を学ぶ解剖と、働きを学ぶ生理を結びつけることが、病態や臨床を理解する土台になります。用語を覚えていても、その位置関係や働きを説明できないと、授業が進んだときに知識を使いにくくなります。動物種による違いも、講義で扱う範囲に沿って整理したい点です。
そのため、目の前の試験範囲だけを詰め込み、基礎の抜けを残したままにすると、後の講義や実習で同じところにつまずきやすくなります。再試験の対策でも、出題範囲の復習と合わせて、その範囲がどの基礎科目とつながっているかを確かめておくと、次の学年の負担を減らせます。
知識のつながりを確かめるには、学んだ内容を自分の言葉で説明してみる方法が向いています。ただし、試験の時期や実習の条件は大学ごとに異なります。一般的な勉強法をそのまま当てはめず、自分の授業で求められる到達目標に戻って計画を立てましょう。
解剖・生理・臨床実習は、つまずき方に合わせて対策する
解剖:名称と位置関係をセットで確かめる
名前を見れば分かるのに、図の向きが変わると答えられない場合は、名称の暗記に加えて位置関係を確認します。授業で使う図や教材のラベルを隠し、構造の名称、隣接する部位、向きを説明してみましょう。正面から見た図だけで覚えていないかも点検します。
動物種ごとの違いは、講義資料で取り上げられた項目を並べ、共通点と相違点を書き分けます。新しい資料を増やすより、授業の図でどこを問われても説明できるかを確かめるところから始めてください。
生理:反応の順序と理由を言葉にする
生理で用語がばらばらになっているときは、「何が変化するか」「何がそれを調節するか」「結果としてどう戻るか」を矢印でつなぎます。説明の途中で言葉が止まる箇所を、復習する範囲として印を付けましょう。
グラフを使う授業なら、軸の意味と、条件が変わったときの動きを説明します。計算を伴う範囲では、式だけでなく単位や前提条件まで確かめると、どこで理解が途切れているかを見つけやすくなります。
臨床実習:知識・手順・提出物を分けて準備する
臨床実習の準備では、事前に求められる知識、大学の指導下で身につける手順、記録や提出物を分けて確認します。実習要項を読み、分からない手順は担当教員に質問できる形で書き出します。
実習後は、指摘された点を「知識が足りなかった」「手順の意味が曖昧だった」「記録に反映できなかった」などに整理し、次の準備へつなげます。動物を扱う技能は大学の指導と安全上の決まりに沿って練習し、机上の復習と組み合わせましょう。
再試験までの学習計画を、期限から組み直す
再試験が近づくと、すべての科目を最初からやり直したくなります。まずは科目ごとに、試験日、出題範囲、評価方法、残っている課題を一覧にしましょう。そのうえで、進級への関わりと期限を見ながら学習時間を割り当てます。
- 手続きと提出の期限を先に入れる。受験申請や課題提出が必要なら、その準備時間も確保します。
- 授業の到達目標と問題を照合する。利用が認められた過去問や演習問題で、自力では答えられない箇所を探します。
- 誤答の理由を分類する。用語不足、仕組みの理解不足、問題文の読み違いなど、原因に合わせて復習します。
- 復習後は資料を閉じて確かめる。解答を読んで納得するだけで終えず、説明や解き直しで確認します。
「今日は生理を勉強する」より、「講義の該当範囲を図にし、調節の流れを説明する」と決めるほうが、終わったかどうかを判断できます。予定どおりに進まなければ、睡眠や出席を削る前に、課題の量と順番を見直してください。
過去問で同じ答えを覚えても、問い方が変われば対応できないことがあります。選択肢が誤りである理由や、条件が変わった場合まで説明できるかを点検しましょう。
留年が決まった場合も、次の履修につなげる
留年が決まった場合は、次の履修登録と科目の開講時期を確認するところから再出発します。修得済み単位の扱い、再履修が必要な授業・実習、次の進級判定までに満たす条件を教務窓口と整理してください。
再履修科目だけに目を向けると、その科目の前提になっている基礎が残ることがあります。解剖の位置関係、生理の調節機構など、授業中に繰り返し分からなくなった箇所を振り返り、履修開始前の復習に組み込みます。
空いた時間をすべて勉強で埋めるより、通学、復習、質問、休息が続く予定を作りましょう。再履修の組み立てをさらに整理したい方は、大学の再履修を立て直す方法も参考にしてください。
一人で抱えず、大学・家族・学習支援に相談する
大学への確認と、学習方法の相談は並行して進められます。進級の判定や履修条件は教務窓口へ、授業内容や実習の疑問は担当教員へ、日々の勉強の進め方は学習支援へ、というように相談内容を整理すると伝えやすくなります。
家族と話すときは、「留年しそう」という不安に加えて、分かっている条件、まだ確認できていない点、次の期限を共有しましょう。保護者の方は、ご本人が大学へ相談する準備を手伝い、家庭でどのような支えが必要かを一緒に考えてください。
ウェルズでは、専門的な学習を担うプロ家庭教師とセンター担当の二人体制で相談を受けています。苦手科目の学習に加え、ご本人のモチベーションや親御さんの不安にも向き合い、勉強を続ける環境を一緒に考えます。
相談時は、シラバス、成績、試験日程、普段使っている教材をそろえると、取り組む範囲を整理しやすくなります。獣医学部在学中の学習支援から、困っている科目や学習状況をお知らせください。

