歯学部の卒業試験に受からない・留年しそうな時に|大学ごとの実態と対策

監修 久松 賢三 ウェルズ家庭教師センター センター長 プロフィール

卒業試験の結果発表が近づくたびに、「今度こそ通らなかったらどうしよう」と眠れない夜を過ごしている人がいます。

周りが次々と卒業を決めていく中で、自分だけが取り残されるような感覚——それは、あなたの努力が足りないからだけではありません。

実は、私立歯学部の中には、6年次までに在学生の半数以上が留年・休学を経験している大学が複数あります(文部科学省の調査で確認できる数字です)。卒業試験でつまずくのは、決してめずらしいことではないのです。

この記事では、卒業試験の実態データ、卒業試験が国家試験以上に重要な理由、そして卒業試験に届かなかった場合・国家試験に届かなかった場合それぞれの立て直し方まで、順番に整理します。

【結論】私立歯学部では6年次までに半数以上が留年・休学を経験する大学が複数あり、留年は珍しいことではありません。本当の関門は国家試験そのものより「卒業試験」にあります。焦って一人で立て直そうとする前に、残り時間と大学ごとの基準に合わせて一緒に整理できる相談先を持つことが立て直しの近道です。

「留年するのは自分だけ」ではない、というデータ

文部科学省が公表している「令和7年度 各大学歯学部の入学状況及び国家試験結果」(令和7年度時点)によると、私立歯学部で6年次までに留年・休学を経験した学生の割合が50%を超える大学が4校あります(松本歯科大学64.6%・明海大学63.8%・神奈川歯科大学57.9%・奥羽大学54.7%)。

つまりこれらの大学では、6年生の2人に1人以上が、一度は留年や休学を経験しているということです。

6年次までの留年・休学経験率が5割を超える私立歯学部(令和7年度)
大学 留年・休学経験率
松本歯科大学64.6%
明海大学63.8%
神奈川歯科大学57.9%
奥羽大学54.7%

出典:文部科学省「令和7年度 各大学歯学部の入学状況及び国家試験結果」

大学によっては、入学した人のうち6年間で国家試験合格まで至る人が2〜5割程度にとどまるケースもあります。同じ一次資料では、6年間で国家試験合格に至った割合が松本歯科大学24.7%(平成31年度入学者85人中21人)、大阪歯科大学46.9%と、大学によって大きな開きがあることが分かります。さらに、出願したものの国家試験を受験できなかった人の割合が43.2%(第118回)にのぼる大学の例も確認できます。

こうした数字の背景には、個人の努力量だけでは説明しきれない部分——大学ごとにカリキュラムや進級・卒業の基準が大きく異なるという側面もあると考えられます。自分を過度に責める前に、まずはこうした構造的な現実があることを知っておいてください。

本当の関門は卒業試験——知っておきたい合格率の内訳

意外と知られていませんが、歯科医師国家試験そのものの合格率は、実は「卒業試験を突破できたかどうか」で大きく変わります。

第119回歯科医師国家試験(令和8年3月発表・厚生労働省)では、新卒者(その年に現役で卒業した人)の合格率が80.2%だったのに対し、既卒者(過年度に卒業し、再挑戦している人)の合格率は27.8%でした。この既卒合格率は、22年ぶりに3割を切った数字です。

第119回歯科医師国家試験の合格率(令和8年3月発表)
区分 合格率
新卒者その年に現役で卒業80.2%
既卒者過年度卒業・再挑戦27.8%22年ぶりに3割を切る

出典:厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の学校別合格者状況」

つまり、在学中に卒業試験を突破して現役で国家試験に臨めた人は8割前後が合格している一方、一度つまずいてしまうと合格率は3割弱まで下がります。

この数字が示しているのは、「国家試験そのものの難しさ」以上に、「卒業試験までにどれだけ実力を仕上げられているか」が結果を大きく左右するということです。つまり、今まさに卒業試験に向き合っている人にとっては、卒業試験の対策こそが最優先事項だといえます。

「進級試験」と「卒業試験」は何が違うのか

ここからは、卒業試験に向けて知っておきたい制度面を整理します。

進級試験は、学年ごとに区切られた科目の理解度を確認する試験で、範囲は基本的にその学年で習った内容に限られます。1科目でも大学の基準に届かなければ、その学年で留年になる大学が多くあります。

一方、卒業試験(卒試)は、それまで6年間で学んだ内容を横断的に問う試験です。多くの大学で、国家試験の出願・受験資格を得るための最終関門として設定されており、範囲が広い分、対策の仕方そのものが進級試験とは変わってきます。大学によっては、卒業試験の合格基準を国家試験より厳しく設定しているケースもあります。

つまり「進級試験は通ってきたのに卒業試験だけ苦戦する」という状況は、能力の問題というより、試験の性質が変わったことに対策が追いついていないだけのケースが多いといえます。

要確認:卒業試験の合格基準・追試回数・留年時の扱いは大学ごとに大きく異なります。特定大学名や固有の数値を自分の状況にあてはめる際は、必ず大学公式・学生便覧で確認してください。

卒業試験に受からなかったら、何が起きるのか

卒業試験に不合格だった場合の扱いは大学によって差がありますが、一般的には次のような流れになることが多いです(要確認:大学ごとの学則で最終確認してください)。

  • 追試験・再試験の機会が設けられ、そこで合格すれば卒業できる
  • 追試も通らなかった場合は留年となり、翌年また卒業試験に挑む
  • 卒業できなければ、その年の歯科医師国家試験を受験する資格自体が得られない

大事なのは、「卒業試験に落ちた=終わり」ではないという点です。多くの学生が、追試や次年度で立て直して卒業しています。

ただし、つまずいた原因(特定科目の理解不足なのか、実習・症例の記録が足りていないのか、演習量が足りていないのか)を放置したまま同じやり方を繰り返すと、同じ壁にもう一度ぶつかりやすいのも事実です。

国家試験に届かなかった後、何を変えるべきか

無事に卒業できても、そこにもう一つの関門である歯科医師国家試験が待っています。前述のとおり、卒業はできたけれど国家試験には届かなかった、というケースも既卒者の合格率(27.8%)が示すとおり一定数存在します。

国家試験に届かなかった場合、多くの人がまず考えるのは「同じ勉強法をもう一度繰り返す」ことです。しかし、卒業試験までの勉強法で結果が出なかった以上、同じやり方をもう一年続けても同じ結果になりやすいのが実情です。変えるべきは主に次の3点です。

国試浪人という選択は、既卒者の受験者数(第119回で988人)が示すとおり、決してめずらしいものではありません。大事なのは、孤立せず、次の1年をどう組み立て直すかです。

一人で立て直そうとする前にできること

ここまで見てきたように、留年や卒業試験でのつまずきには構造的な背景があり、立て直し方も「今どの段階にいるか」「どの大学に在籍しているか」によって変わります。ここまでの情報を自分だけで整理し、正しい優先順位で対策を組み立てるのは簡単ではありません。

ウェルズには、歯学部の進級・卒業試験・国家試験対策に対応してきたプロ家庭教師が在籍しており、次のような形でサポートしています。

  • 現状の成績・過去の試験結果から、つまずいている科目・分野を個別に特定
  • 卒業試験・国家試験までの残り期間から逆算した学習計画の作成
  • オンライン対応可能。全国の講師から学年・科目に合った講師を選定

よくある質問

Q.卒業試験に一度落ちていますが、相談できますか?
追試前のご相談、留年が決まった後のご相談、どちらも対応しています。まずは現状の科目別の状況を伺い、次の試験までの計画を一緒に考えます。
Q.進級試験で苦戦していますが、卒業試験の話はまだ早いですか?
早すぎるということはありません。低学年のうちにつまずきを解消しておくほど、卒業試験・国家試験の対策がしやすくなります。
Q.国家試験に届かなかった場合の相談もできますか?
対応しています。何が足りなかったかを一緒に整理し、次の1年の学習計画を立て直します。
Q.何年生・何浪目からでも遅くないですか?
学年や既卒・再受験かどうかにかかわらずご相談いただけます。まずは今の状況をお聞かせください。
Q.オンラインでも対応してもらえますか?
対応しています。全国の講師の中から、学年・科目・目的に合った講師を選んでいただけます。

まとめ

  • 私立歯学部では、6年次までに在学生の半数以上が留年・休学を経験する大学が複数ある。留年は珍しいことではありません。
  • 歯科医師国家試験の合格率は新卒80.2%・既卒27.8%(第119回)。本当の関門は卒業試験にあります。
  • 卒業試験に受からなくても、追試・次年度での立て直しは可能です。まず必要なのは弱点の洗い出しです。
  • 国家試験に届かなかった場合も、勉強法を変えずに繰り返すより、何が足りなかったかを一度棚卸しすることが立て直しの起点になります。
  • 残り時間と大学ごとの基準によって、最適な立て直し方は変わります。一人で抱え込む前に、進級〜卒業試験〜国家試験まで対応できる専門の相談先を持つという選択肢があります。

参考リンク

本文で使用した実データの一次資料です。

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