【中学受験・新小6】2月の「数式100回書き取り」は偏差値を下げる愚行。公的データが示す、合格への「睡眠」と「戦略的な量」の科学


【経歴】
教育業界歴25年。これまでに2,000名以上の受験生、在校生の学習プランを作成。「偏差値30からの志望校合格」など逆転合格のサポート実績多数。

【専門分野】
中学受験・高校受験・大学受験・大学進学・難関資格取得の戦略立案。現在はプロ家庭教師の採用・育成および、年間300件以上の進路相談を担当。

新小6の2月。塾のテキストが分厚くなり、「とにかく量をこなさなきゃ!」と焦っていませんか? 確かに、中学入試を突破するには圧倒的な演習量が必要です。 しかし、「量」の定義を間違えると、どれだけ机に向かっても偏差値は1ミリも上がりません。

最も危険なのは、昭和の根性論のような「思考停止した反復練習」です。 (例:公式を100回ノートに書く、間違えた問題の解説をただ書き写す…など)

これらは「勉強」ではなく、単なる「手首の運動(作業)」です。 今回は、新学年のスタートである2月に知っておくべき「脳を鍛える戦略的な量」と、公的データに基づく「睡眠と取捨選択の科学」について解説します。


もし塾の宿題で「この公式を10回書いて覚えなさい」と言われたら、あるいは間違えた漢字を「20回書いて練習」していたら、要注意です。

脳科学には「馴化(じゅんか)」という現象があります。 人間の脳は、同じ刺激が繰り返されると「これは重要ではない」と判断し、反応しなくなります。

  1. 1回目: 「えーと、速さ=道のり÷時間…」と考えながら書く。(脳が働いている)
  2. 3回目以降: 手が勝手に動く。脳は「明日の給食なにかな」と考えている。(脳が停止している)

つまり、思考停止した書き取り(単純作業)は、時間と体力を消耗するだけで、記憶にはほとんど定着しません。 「ノートを真っ黒にする」ことで得られるのは、自己満足と腱鞘炎だけです。


では、どのような「量」が正義なのか。 それは、「想起(思い出そうとする)回数」です。

人間の記憶が強化されるのは、「情報を入れた時(書いた時)」ではなく、「脳から情報を引っ張り出した時(テストした時)」です。

【比較】「無駄な量」vs「戦略的な量」

行動 × 無駄な量 (作業) 脳がOFFの状態 ◎ 戦略的な量 (学習) 脳がONの状態
公式・知識 公式を見て、10回連続でノートに書き写す。 → 手が覚えるだけ。応用問題で使えない。 何も見ずに1回テストし、間違えたら時間を空けてもう1回テストする。 → 「うーん、なんだっけ」と悩む瞬間に脳が鍛えられる。
間違い直し 解答の赤字を、ただノートに丸写しする。 → 「勉強した気」になる一番危険な作業。 解説を読んで閉じ、白紙に「自分の力」だけで再現できるか試す。 → 途中で詰まったら、それが本当の弱点。

無駄な作業をやめれば、時間は必ず余ります。その時間を「もっと勉強」に使うのではなく、「睡眠」に使ってください。 ここには明確な公的エビデンスが存在します。

エビデンス①:睡眠時間と学力の相関(文部科学省データ)

文部科学省の「全国学力・学習状況調査」によると、算数・国語ともに、「毎日決まった時間に寝ている子」や「十分な睡眠時間を確保している子」の方が、平均正答率が高い傾向が顕著です。

睡眠不足の状態では、脳の「前頭前野(論理的思考を司る部位)」の働きが著しく低下します。 中学受験の算数で必要な「条件整理」や「試行錯誤」ができなくなり、単純な計算ミス(ケアレスミス)が多発するのは、根性不足ではなく、脳の物理的な疲労が原因です。

エビデンス②:記憶の定着メカニズム(レム睡眠の役割)

脳科学の知見では、「記憶は睡眠中に定着する」ことが定説となっています。 起きている間に塾で学んだ知識は、睡眠中に脳内で「整理」され、「長期記憶」へと転送されます。 結論として、「1時間の睡眠を削って書き取り作業をする」より、「1時間作業を捨てて寝る」ほうが、結果的に知識の保持率は高まります。


公的なエビデンスと脳の仕組みに基づき、2月の家庭学習における「仕分け」を提案します。

判断基準 今すぐ「捨てる」べきもの (脳のゴミを増やすだけ) 今すぐ「死守する」もの (偏差値の土台になる)
宿題の量 理解できないまま 「解説を写すだけ」の作業。 「基礎問題」を 何も見ずに解く15分。 (基礎を無意識に解けるレベルへ昇華)
夜の時間 23時以降の ボーッとした頭での演習。 8時間の「睡眠時間」。 (その日学んだことを脳に刻むための必須時間)

実はもう一つ、重要なエビデンスがあります。それは「ストレスと脳機能」の関係です。 高ストレス下(親子喧嘩など)では、脳内のコルチゾールが上昇し、思考力が停止します。

「書きなさい!」「終わらせなさい!」という叱咤激励が、皮肉にもお子様の脳をフリーズさせ、合格を遠ざけている可能性があるのです。

戦略的な取捨選択でクラスアップする2コマ漫画


大手塾のカリキュラムを最大限に活かしつつ、お子様の健康と学力を両立させるために、私たちは「捨てる基準」を明確に示します。

  • 塾の宿題の優先順位付け: お子様の現在の学力と志望校から、今やるべき問題と、今は捨ててよい問題をプロが仕分けます。
  • 睡眠時間を確保する効率化: 分からないところで何時間も止まるのを防ぎ、短時間で理解へと導きます。
  • 「塾のクラスアップ」への最短ルート: 塾の確認テストで点数を取るためのピンポイント指導。

新小6の2月、親子で疲弊する前に。 「賢く捨てて、しっかり寝る」。この科学的な戦略を一緒に実践しませんか?

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