「激務の外科」はもう古い?医師働き方改革から2年、医学部生の志望科選びに起きた「QOL革命」
この記事を書いた人
【経歴】
教育業界歴25年。これまでに2,000名以上の受験生、在校生の学習プランを作成。「偏差値30からの志望校合格」など逆転合格のサポート実績多数。
【専門分野】
中学受験・高校受験・大学受験・大学進学・難関資格取得の戦略立案。現在はプロ家庭教師の採用・育成および、年間300件以上の進路相談を担当。
「今の医師が、昔ほど働けなくなっていることを知っていますか?」
2024年4月、医師の残業時間に上限が設けられる「医師働き方改革」が本格施行されました。それから2年が経過した2026年現在、医療現場だけでなく、医学部生のキャリア観にも劇的な変化が起きています。
かつては「花形」と呼ばれた診療科が敬遠され、特定の診療科に希望が集中する「志望科の偏り」が新たな問題となっています。医学部合格のその先にある、医師キャリアの新常識を解説します。

1. 医師働き方改革で何が変わったのか?
これまで医師の労働時間は、その聖職性ゆえに「無限」に近い状態が黙認されてきました。しかし、現在は法律によって以下のような制限が課せられています。
- 時間外労働の上限: 原則として年960時間(一部の特例を除き)。
- 休息時間の確保: 勤務間インターバル(休息時間)の義務化。
- 研鑽(勉強)の扱い: 「業務」か「自己研鑽」かの切り分けが厳格化。
この改革により、若手医師が「寝る間を惜しんで手術の練習をする」といった従来のスタイルが物理的に不可能になりつつあります。
2. 2026年の志望科トレンド:「QOL重視」への大移動
働き方改革の影響を最も受けたのは、医学部生たちの「志望科選び」です。現在のトレンドを一言で言えば、**「QOL(生活の質)の確保」**です。
| 志望動向 | 該当する主な診療科 | 特徴 |
| 人気急増(QOL枠) | 皮膚科、眼科、精神科、放射線科 | 予約診療が中心でオンコール(呼び出し)が少なく、私生活との両立がしやすい。 |
| 志願者減少(ハード枠) | 外科、産婦人科、救急科 | 緊急手術や当直が多く、労働時間の管理が難しいため、敬遠される傾向。 |
| 新たな注目(効率枠) | 総合診療科、内科(専門特化) | 働き方改革に対応した「チーム医療」が進んでおり、組織的に休みを取りやすい。 |
【2026年の視点】
以前は「楽をしたいのか」と揶揄されることもあったQOL重視の選択ですが、現在は「長く医師を続けるための賢い戦略」として、成績上位層の間でもスタンダードな考え方になっています。
3. 医学部教育への影響:病院実習が変わった
働き方改革は、現役医学部生の「病院実習(ポリクリ)」の風景も変えました。
- 実習時間の短縮: 指導医自身の労働時間が制限されたため、学生が夜遅くまで医局に居残ることが制限されるようになりました。
- デジタル学習の加速: 現場で見学する時間が減った分、VR手術シミュレーターやオンライン教材での学習が必須となっています。
- 「働きやすさ」のチェック: 学生は実習中、術式や診断法だけでなく「この科の先生はちゃんと帰れているか」をシビアに観察しています。
4. 志望科偏在がもたらす「入試」と「進級」への影響
特定の科に希望が集中することで、新たなリスクも生まれています。
- シーリング(定員制限)の激化: 皮膚科や眼科など、都市部の人気科には厳しい人数制限がかかります。希望の科に進むためには、大学時代の成績がこれまで以上に重要になっています。
- 専門医試験の難化: 志望者が多い科では、選別のために専門医試験や認定試験のハードルが上がる可能性があります。
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5. ウェルズ家庭教師センターが提案する「新時代の医学部攻略」
医師になってからの自由度(志望科の選択肢)を確保するためには、医学部入学がゴールではなく、**「入学後に上位の成績を維持すること」**が不可欠です。
- CBT・国試対策の早期化: 大学の講義が効率化・短縮化される中で、自習の質が成績を左右します。プロの指導で効率的な学習習慣を身につけます。
- キャリアを見据えた大学選び: 志望する診療科に強い教室(医局)があるか、その大学の関連病院で働き方改革がどれだけ進んでいるかといった情報を共有します。
- マッチングを見据えた伴走: 希望の科の研修枠を勝ち取るための、学業成績と課外活動のトータルプロデュースを行います。
参考文献・エビデンス(公式リンク)
- 厚生労働省:医師の働き方改革 特設サイト
- 制度の基本理念と最新の運用状況が確認できます。
- 日本専門医機構:専門医研修プログラムの定員(シーリング)について
- 診療科ごとの募集定員制限に関する最新情報です。
- 厚生労働省:医師需給分科会 報告書
- 将来的な医師数と診療科ごとの過不足予測データです。
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